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オメガ シーマスター300をハンズオン

さて、このオメガ時計は私が初めてじっくりと体験したものとは程遠いものだ。私は昨年、この新しいコレクションの発売と同時に、基本的にすべてのカラーと素材のバリエーションを手に取ることができたからだ。しかし、人生における多くの事柄と同様に、時の経過が私の感覚に影響を与えた。衝撃と畏怖の念が薄れてしまったのだ。ちょっとした距離感が、私に時計の観察と手に取ることを許した。ただ以前と違って、今は外部の雑音に直面している。元々、この作品は派手な新作だったが、今は他の人たちの頭にも、そして心のなかにも、しばらくのあいだ、居座ることになった。私はというと、不合理な熱狂に踊らされることなく自分なりの批評をしようと思った。

私は、この時計が何を意図しているのかを探っていた。それは、「何でもできる」日常使いの時計ということだ。そして、正直なところ、この時計はその目的に適っている。現代的なサイズの41mm、300m防水のダイバーズ、そして誰も不快にしない魅力的な懐かしいデザインについて書いた。

オメガ シーマスター ダイバー300 コーアクシャルマスター クロノメーター クロノグラフ 210.22.44.51.01.001

1993年に発表された【シーマスターダイバー300M】は、スピードマスターと並びオメガを代表する人気シリーズです。
こちらは2019年に発表されたケース径44mmのクロノグラフモデル。
文字盤とダイビングベゼルには耐久性に優れたブラック・セラミックを採用し、文字盤にはシーマスターの初代モデルにあったレーザー加工の波模様を施します。
シースルーバックから覗くムーブメントには、15,000ガウス以上の超高耐磁性能を持ち、スイス連邦計量・認定局METASが認定したマスタークロノメーターのキャリバー9900を搭載します。

今回、私はより多くの時間を割いて、ダイヤルが陽光のなかでどのように輝くのか、そしてその煌めきが全体の視認性にどのように影響するのかに注意を払った。この点については、残念なことに、何点か減点されることになった。特にこのブルーモデルでは、ダークネイビー、ニアネイビー、そしてエイジング加工されたフェイクパティーナの組み合わせが、実際の使用シーンではコントラストに欠ける仕上がりになってしまったからだ。もちろん、この時計をカメラで撮影し、照明を正しく当てれば、完璧に読みやすい、ヴィンテージ感あふれる時計として仕上がる。しかし、Instagramでは、そうはならないのである。

ダイヤル上のインデックスは完璧に読みやすいとは言えないが、十分なレベルであることは間違いない。その上、見ていて純粋に楽しい。手首のバックルを外して、数センチ先まで顔を近づけたいような、時計マニアのために作られた時計だ。サンドイッチのようなダイヤルの質感の高さがそこにある。マットな文字盤とアルミベゼルのさまざまな質感の変化を確かめるために、陽光の下でくるくると回している自分に気づいた。

手首につけると、モダンな時計でありながら、アンティークのようなビジュアルに気づく。ケースやダイヤルと同じように、ブレスレットやクラスプのデザインにも気を配ったオメガに脱帽だ。すべてが一体化しているように感じられ、それゆえに素晴らしい体験が得られるのだ。

手首から外してみると、60時間のパワーリザーブを備えたMETAS認定の自動巻きムーブメント、マスターコーアクシャル Cal.8912が見える。オメガ コピーは、高級時計製造における“コストをかけない”ムーブメント技術に関して、ある種のゴールデンスタンダードとなっており、このムーブメントも例外ではない。このムーブメントは、この時計の最も現代的な構成要素でもある。実際のヴィンテージ・シーマスター300でエキシビジョンケースバックを持つモデルは存在しないが、もし私がこれほど優れたムーブメントを作ったら、それを見せびらかさずにはいられないだろう。

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